スタッフブログ
電気窯で志野焼に挑戦
先週、電気窯で志野が焼けるのか試験焼成が行われました。
40時間以上の強還元をかけて、さらに最高温度に到達後800℃までの冷却時間にもプログラムを入れて徐冷。
本来、志野を焼く穴窯焼成となるべく近い条件を電気窯で作り出せないかという実験でした。
還元焼成とは、焼成中の窯の中に、バーナーで炎を入れ込み酸欠状態のまま焼き上げます。
粘土や釉薬に含まれる鉄分などの金属化合物が反応して、色の変色などが起こります。
肝心の焼成結果は、というと
電気窯でもこんなに緋色が出るんだ、という驚きと
やっぱり熔けが足りないなぁ、とスタッフ間では賛否両論。
テストピースで見ると良さそうでも、茶碗になると色肌がまったく違ったり。
全体的に表面がガサガサしてしまうものが多く、やはり熱量不足は感じますが、
一度目の焼成と考えるとまずまずの結果が出たのではないかな、と今後に向けて話し合いを進めております。
下絵転写紙の貼り方を再検討した結果
下絵用転写紙を貼ったまま素焼し、釉薬をかけた見本が焼き上がりました。
下絵と釉薬の相性の試験もふまえて、今回は透明釉以外のものを試してみようかな、と。
左から、2-S-8 古伊羅保釉 、2-S-24 卯の斑釉 、2-S-23 御深井釉 を掛けました。
3種類とも、下絵と釉薬の相性はバッチリ。
下絵用転写紙を貼ったまま素焼して、施釉して本焼成した結果うまく焼けたかなと思います。
ただ、転写紙を貼ったまま素焼をしても、叩き込みが足りなければやはり素地との張り付きが甘くなります。
しっかり貼れていなかった所には、ピンホールができました。
盛転写紙のような下絵が分厚いものは、よりしっかりとした叩きこみが必要です。
叩き込みの際に水が多いと、絵柄が滲んでしまうので、固く絞ったスポンジで根気よく!
ちなみに透明釉である2-S-2 石灰釉を掛けた場合はこちら。
釉薬で雰囲気ががらっと変わりますね。
折を見て、また違った釉薬でも試してみたいと思います。
越中 八尾の風に吹かれて
こんにちは 店長の押川です
富山市八尾町の おわら風の盆 前夜祭 に行って参りました
数年前、高橋治さんの 風の盆恋唄 を読んで以来、ずっと憧れていた越中八尾のおわら風の盆へ…
橋を渡ると、数千本もの灯火に映しだされた、幻想的な町並みが出迎えてくれました。
さぁ、いよいよ 風の盆 前夜祭 の幕開けです。
今宵の輪踊りは人気の高い鏡町とあって、会場は待ち焦がれた観衆の熱気で、溢れかえっています。
目深に編み笠を被った流麗な女踊り。力強く大地を踏みしめる男踊り。
そして宵闇の町に響き渡る、三味線、胡弓と共に哀愁を奏でる唄声。
その三位一体となって織りなされる幽玄の世界に魅了され、時にどよめき、時に拍手を送る観衆たち。
風の盆 輪踊り 風の盆 男女混合 日本人に生まれてよかったと、しみじみ感じ入った晩夏の一夜でした。
次回訪れるときは、深夜の諏訪町の坂上から この世のものとは思えない という町流しの風景を、是非観たいものです。