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2014年2月

電気窯で志野焼に挑戦

電気窯での還元焼成の様子

先週、電気窯で志野が焼けるのか試験焼成が行われました。

40時間以上の強還元をかけて、さらに最高温度に到達後800℃までの冷却時間にもプログラムを入れて徐冷。

本来、志野を焼く穴窯焼成となるべく近い条件を電気窯で作り出せないかという実験でした。

電気窯での還元焼成の様子
還元焼成とは、焼成中の窯の中に、バーナーで炎を入れ込み酸欠状態のまま焼き上げます。

粘土や釉薬に含まれる鉄分などの金属化合物が反応して、色の変色などが起こります。

 

肝心の焼成結果は、というと
 

電気窯で焼成した志野焼
電気窯で焼成した志野焼



電気窯でもこんなに緋色が出るんだ、という驚きと

やっぱり熔けが足りないなぁ、とスタッフ間では賛否両論。

電気窯で焼成した志野焼

テストピースで見ると良さそうでも、茶碗になると色肌がまったく違ったり。

 

全体的に表面がガサガサしてしまうものが多く、やはり熱量不足は感じますが、

一度目の焼成と考えるとまずまずの結果が出たのではないかな、と今後に向けて話し合いを進めております。

下絵転写紙の貼り方を再検討した結果

下絵用転写紙を貼ったまま素焼し、釉薬をかけた見本が焼き上がりました。

下絵用転写紙の見本

下絵と釉薬の相性の試験もふまえて、今回は透明釉以外のものを試してみようかな、と。

左から、2-S-8 古伊羅保釉 、2-S-24 卯の斑釉 、2-S-23 御深井釉 を掛けました。

3種類とも、下絵と釉薬の相性はバッチリ。

下絵用転写紙を貼ったまま素焼して、施釉して本焼成した結果うまく焼けたかなと思います。

 

ただ、転写紙を貼ったまま素焼をしても、叩き込みが足りなければやはり素地との張り付きが甘くなります。
 下絵用転写紙の見本

しっかり貼れていなかった所には、ピンホールができました。

盛転写紙のような下絵が分厚いものは、よりしっかりとした叩きこみが必要です。

叩き込みの際に水が多いと、絵柄が滲んでしまうので、固く絞ったスポンジで根気よく!

 

ちなみに透明釉である2-S-2 石灰釉を掛けた場合はこちら。

下絵用転写紙の見本

釉薬で雰囲気ががらっと変わりますね。

折を見て、また違った釉薬でも試してみたいと思います。

展覧会とワニの日光浴

大寒を過ぎても、まだまだ寒さが厳しいです。

これだけ寒いとなかなか粘土が乾かないので、ボイスオブセラミックスではワニを日干し中です。
 作品乾燥中

お腹が乾燥しにくしので、底上げして日光浴です。

作品乾燥中

 

変わりまして、明日から始まるスタッフの大森健司の展覧会をお知らせします。

多治見を中心に活動中の陶芸家の三人展です。

大森健司 展覧会

NEW CERAMICSTS FROM MINO -打田翠 ・ 大森健司 ・ 松永圭太 展-

東京の神宮前、green natural store tokyoにて2月7日(金)~2月16日(日)まで開催です。

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